
2025年9月26日、佐賀市立鍋島公民館にて「専門家に聞く。私にもできる終活と社会貢献」と題して終活・遺贈寄付セミナーを開催しました。
セミナーは、高齢者をサポートする制度や財産管理、相続の基本、そして遺贈寄付について学び、前向きな人生の最終章を送ることを目的としたものです。昨年に引き続き3回目の開催となり、今年は例年よりも多くの方にご参加いただきました。中には20代の方も参加され、若い方も遺贈寄付についての関心が高まっていることを実感しました。
共催は佐賀市立鍋島公民館、鍋島校区社会福祉協議会、おたっしゃ本舗鍋島(佐賀市鍋島地域総括支援センター)、公益財団法人佐賀未来創造基金、公益社団法人シビックフォース、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが務め、佐賀県、佐賀銀行、三井住友信託銀行佐賀支店、佐賀新聞社のご後援をいただきました。
講演では、講師の原 弘安先生が司法書士を志した経緯や、法的手続きの具体的な方法について説明がありました。また、具体的な事例を交えながら、遺贈寄付を通じて自身の意思を社会貢献に反映する方法についても詳しくお話しくださいました。
先生は、遺贈寄付を「家族関係や自身の状況をしっかりと把握し、法律を理解したうえで、自分の意志を形にするための1つの選択肢」として紹介されました。「これにより、自分の人生がより豊かになり、家族も幸せでいられる」と語られた言葉が印象的でした。
また、終活とは、自身が死んだ後の事を考えるだけでなく、自分や家族が不安なく過ごせるように整える事なのだと気付かされました。
一般には、お亡くなりになる方が、遺言によって、財産の全部または一部を法定相続人または法定相続人以外の人(自然人または法人)に無償で譲渡することを「遺贈」といいます。そのような遺言による寄付(遺贈)に加えて、相続財産の寄付、信託などの契約による寄付など、個人のご遺産からの寄付を総称して「遺贈寄付」と呼ばれています。
子個老癒し隊
続いて行われた佐賀弁による寸劇と専門家のアドバイスでは、「終活、こんな時どうずればいい?」をテーマに、将来認知症になってしまったら?一人暮らしで入院するときは?家の処分は?などの悩みに寄り添って原弘安先生をはじめとした各専門家の方々からアドバイスをいただきました。
遺贈寄付を行う本人だからこそ不安に感じる部分を、子個老癒し隊(こころいやしたい)の方々に、佐賀弁の寸劇で寄り添った内容にして演じていただきました。笑いあり、共感あり、最後には専門家の先生方からのアドバイスで、納得と安心を得られたのではないかと思います。来場者の方からは「とても楽しく学ばせてもらいました」といった感想もいただきました。
■NPO 「Non Profit Organization」の略で、「非営利活動法人」と訳されます。市民協働のパートナーとして注目されているのがNPOです。
「非営利」とは利益を団体の活動目的を達成するためだけに使うことを意味します。営利組織(株式会社など)が利益を構成員(株主など)に分配(配当など)するのに対し、NPOでは利益を分配しないことが特徴です。
■CSO
「Civil Society Organization」の略で、「市民社会組織」と訳されます。NPO法人、市民活動団体、ボランティア団体に限らず、婦人会、老人会、PTAなどを含めて「CSO」と呼んでいます。
Q. 遺言書作成後に、寄付先の団体がなくなったらどうなりますか?
A. 団体がなくなった場合には遺贈寄付をしようとした財産は、相続財産に変わります。
Q. 地方自治体などへの寄付と、NPOやCSOの遺贈寄付はどう違うのか?
A. CSO・NPOへの遺贈寄付では、残す方の想いを実現するよう動きます。
支援が必要な方へ寄り添い実現できるのが、民間団体の強みです。
Q. 遺贈寄付をするときの入り口が知りたい。相談や教えてくれるところはどこですか?
A. 参加団体の遺贈寄付相談窓口は、以下の通りです。お気軽にお問合せください。
また、銀行では、遺贈寄付のセミナーなども随時開催しています。
・公益財団法人 佐賀未来創造基金
市民や企業の皆様から寄付を集め、市民活動団体やNPO 等のCSO(市民社会組織)に助成
地域や社会の課題解決や活性化に取り組む市民立の財団
・公益社団法人 シビックフォース
国内外の大規模災害時に迅速で効果的な支援を行うための連携組織です。
災害に強い地域づくりをサポートしています。
・特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン佐賀事務所
国際協力や災害救援の新たな拠点であり、伝統工芸の支援に取り組んでいます。
◆ピースウィンズ・ジャパンでは、今後も遺贈寄付セミナーを積極的に開催し、より多くの方に終活において本当に大切なことや、遺贈寄付という意志の残し方を知っていただく機会を設けたいと思っています。
佐賀県内において、自分たちの地域でも開催してほしい!といったご希望もお待ちしております。地域毎、各家庭毎にどうしたらいいかわからないといった問題点が異なります。ぜひお気軽にご相談ください。遺贈寄付に関するパンフレット(無料)もご用意しております。また、ご質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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今年は約30人の方にご参加いただき、会場は満席に近く、大変盛況なセミナー開催となりました。ご来場いただいた皆さまには感謝申し上げます。
セミナー後の懇談やアンケートには、実際に遺贈寄付をご検討の方からの真摯なお声をいただきました。セミナーは、今回だけではなく継続的に開催していく予定ですので、今回参加できなかった方も今後のセミナーへの参加をお待ちしております。
自身の人生において、今が一番若いと言われるように、身体が健康なうちにぜひ一度終活や遺贈寄付について考える機会に触れていただければと思います。
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