2024年9月19日、佐賀市立鍋島公民館にて「終活・遺贈寄付セミナー」を開催しました。
セミナーは、高齢者をサポートする制度や財産管理、相続の基本、そして遺贈寄付について学び、前向きな人生の最終章を送ることを目的としたものです。佐賀事務所として昨年に引き続き2回目の開催になりました。
共催は佐賀市立鍋島公民館、公益財団法人佐賀未来創造基金、公益社団法人シビックフォース、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが務め、佐賀県、佐賀銀行、三井住友信託銀行佐賀支店、佐賀新聞社のご後援をいただきました。
講演では、講師先の原 弘安生が司法書士を志した経緯や、法的手続きの具体的な方法について説明がありました。また、遺贈寄付に関する具体的な事例を交えながら、遺贈寄付を通じて自身の意思を社会貢献に反映する方法についても詳しくお話しくださいました。
先生は、遺贈寄付を「家族関係や自身の状況をしっかりと把握し、法律を理解したうえで、自分の意志を形にするための1つの選択肢」として紹介されました。「これにより、自分の人生がより豊かになり、家族も幸せでいられる」と語られた言葉が印象的でした。
一般には、お亡くなりになる方が、遺言によって、財産の全部または一部を法定相続人または法定相続人以外の人(自然人または法人)に無償で譲渡することを「遺贈」といいます。そのような遺言による寄付(遺贈)に加えて、相続財産の寄付、信託などの契約による寄付など、個人のご遺産からの寄付を総称して「遺贈寄付」と呼ばれています。
続いて行われたパネルディスカッションでは、「いま注目される遺贈寄付。佐賀県における事例と可能性」をテーマに、原弘安先生、佐賀未来創造基金の山田健一郎氏、シビックフォースの根木佳織氏、ピースウィンズ・ジャパンの上野絵梨奈氏*が登壇しました。
ディスカッションでは、遺贈寄付が地域活性化や社会貢献にどのように役立つかが議論され、佐賀県内で活動するCSO・NPOの目的や具体的な活用事例が紹介されました。シビックフォースの根木佳織氏は「市民団体として、行政が対応しきれない細やかな支援が必要だと感じている。その中で、遺贈寄付は安定した資金源として非常に重要」と述べました。
また、遺贈寄付を通じてCSO・NPOを応援することが、個々の理想とする社会の実現につながる可能性についても話し合われました。
■NPO 「Non Profit Organization」の略で、「非営利活動法人」と訳されます。市民協働のパートナーとして注目されているのがNPOです。
「非営利」とは利益を団体の活動目的を達成するためだけに使うことを意味します。営利組織(株式会社など)が利益を構成員(株主など)に分配(配当など)するのに対し、NPOでは利益を分配しないことが特徴です。
■CSO
「Civil Society Organization」の略で、「市民社会組織」と訳されます。NPO法人、市民活動団体、ボランティア団体に限らず、婦人会、老人会、PTAなどを含めて「CSO」と呼んでいます。
Q. 遺言書作成後に、寄付先の団体がなくなったらどうなりますか?
A. 団体がなくなった場合には遺贈寄付をしようとした財産は、相続財産に変わります。
Q. 地方自治体などへの寄付と、NPOやCSOの遺贈寄付はどう違うのか?
A. CSO・NPOへの遺贈寄付では、残す方の想いを実現するよう動きます。
支援が必要な方へ寄り添い実現できるのが、民間団体の強みです。
Q. 遺贈寄付をするときの入り口が知りたい。相談や教えてくれるところはどこですか?
A. 参加団体の遺贈寄付相談窓口は、以下の通りです。お気軽にお問合せください。
また、銀行では、遺贈寄付のセミナーなども随時開催しています。
・公益財団法人 佐賀未来創造基金
市民や企業の皆様から寄付を集め、市民活動団体やNPO 等のCSO(市民社会組織)に助成
地域や社会の課題解決や活性化に取り組む市民立の財団
・公益社団法人 シビックフォース
国内外の大規模災害時に迅速で効果的な支援を行うための連携組織です。
災害に強い地域づくりをサポートしています。
・特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン佐賀事務所
国際協力や災害救援の新たな拠点であり、伝統工芸の支援に取り組んでいます。
多くの方にご参加いただき、満席に近く盛況な開催となりました。ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございます。
質疑応答では、実際に遺贈寄付をご検討の方からの真摯なお声をいただきました。まだまだ、知られていない部分もあると思いますが、セミナーは、今後も継続的に開催していく予定ですので、ご興味をお持ちいただいた方は、次回以降のご参加をお待ちしております。
◆遺贈寄付に関するパンフレット(無料)もご用意しております。また、ご質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちらです。
© Peace Winds Japan, All rights Reserved.