たなかふみえさんは、かわいらしい絵付で人気の有田焼の陶芸家です。ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品の中でも高い人気を誇っています。たなかさんが普段使用しているというご飯茶碗についてお話を伺いました。
普段、私は仕事の参考に器を買うことが多いのですが、自分が本当に使いたくて購入した数少ない器の1つが、中尾正三郎さんのご飯茶碗です。中尾さんは有田焼の伝統工芸士で作家。母の同級生でもあり、10年以上前に母と一緒に中尾さんの工房を訪ねた際に買いました。実は有田町に移住したばかりの頃、私が最初に勤めた商社でも取り扱っていた商品です。中尾さんは染付の作品を多く手掛けていて、いずれも動植物の絵がふわっと優しく描かれているのが特徴。これはガクアジサイが描かれたご飯茶碗で、よく見ると縁が円形ではなく、多角形になっているところがかわいい。何より、普通のご飯茶碗よりも小ぶりで浅めなところが気に入っています。
私はおかずをたくさん食べる方なので、ご飯をそれほど食べないのと、手が小さいので、小さめのご飯茶碗の方が持ちやすくて良いんです。自分の作品でも、気づくと、つい小さな器ばかりをつくってしまっています。普段、食卓で使用するのは、以前に勤めていた有田焼窯元の器か、母が元々持っていた昭和時代の作家の器が多いですね。お茶を飲む時には自分がつくった器をよく使います。規格外品や見本品がほとんどですが…。おかげさまでふるさと納税で好評をいただいた「銀彩鳥小花小蓋碗」には葛きりなどのスイーツを盛ることが多いですね(談)。
(文:杉江あこ/意と匠研究所、取材写真:藤本幸一郎、商品写真:ハレノヒ)
公開日:2019年1月23日
更新日:2021年1月19日
たなかふみえ
陶芸家
東京都生まれ。文化女子大学短期大学部服装学科卒業。大学研究室非常勤副手を務めた後、商社に勤務。1999年佐賀県有田町に移住。2007年佐賀県立有田窯業大学校短期研修絵付技法科修了後、有田町内の窯元に就く。2014年戸栗美術館にて個展を開催。2015年独立。
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