飛鳥工房が製作した木製玩具に心引かれたというプロダクトデザイナーの澄川伸一さん。出合いは、ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品にラインアップする商品開発時。デザイナーの目から見ても飽きないという木製玩具の魅力について伺いました。
飛鳥工房と、ふるさと納税の返礼品にラインアップする商品開発を進めていた2018年2月、ミーティングで飛鳥工房を訪れた際、ショールームで見つけて思わず購入してしまったのが、「ツーサークルローラー」という木製玩具です。2枚の円盤を垂直に組み合わせた製品で、昔からある幾何学玩具ですが、飛鳥工房らしくウォールナットとメープルの2つの樹種でつくられている点に引かれました。事務所のデスクの上に置いているのですが、仕事の合間に、つい無意識に触ってしまいます。指で触っていると、とても癒やされます。やはり木は人が触れて心地良い素材。もしプラスチック製だったら買わなかったでしょうね。
「ツーサークルローラー」を指で押すとコロコロと転がるのですが、ちょっと不思議な転がり方をします。2つの円盤それぞれに接地点が1つずつあり、転がる時に2つの接地点の位相が変化するので、まるでよろけているように見えるんだと思います。きっと子供なら転がる様子を純粋に楽しむのでしょうが、大人はどうして不思議な動きをするんだろうとつい考えてしまう。デザイナーの目から見ても飽きないし面白いなと思います。非常にシンプルな構成なんだけど、こんなにも人を楽しませる動きを生み出せるのかという点に感心します。最初に考えた人はすごいですよね。大人も子供もペットも反応する万能玩具だと思います(談)。
(文・写真:杉江あこ・下川一哉/意と匠研究所)
公開日:2018年5月31日
更新日:2021年1月19日
澄川伸一(すみかわ・しんいち)
プロダクトデザイナー
1962年東京都生まれ。1984年千葉大学工学部卒業、同年ソニーに入社。プロダクトデザイナーとして、ウォークマン、短波ラジオ、リバティーシリーズ、トリニトロンTVのデザインを担当。ソニーアメリカに4年半勤務した後、1991年に独立、現在に至る。世界57カ国の滞在経験を活かした、自由な発想のデザインを実践。3DCADとプリンターを活用した人間工学的な曲面設計を得意とする。2017年より大阪芸術大学教授。
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