たなかふみえさんの銀彩鳥小花シリーズを「かわいい有田焼」と絶賛。ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品セレクトも担当する、エディター・ライターの杉江あこが、たなかさんとの出会いと同シリーズの魅力を語ります。
有田焼の陶芸家、たなかふみえさんの「銀彩鳥小花花型皿」を朝食用の皿として愛用しています。高台がほとんどないので洋皿のように使えて、ほぼ毎朝摂るトーストと卵料理と葉物野菜を盛るのにちょうどいいサイズなのです。食べ進めるうちに現れてくる鳥の文様に、「おはよう」と思わず声をかけたくなります。たなかさんと出会ったのは2016年。私が執筆した書籍『きんしゃい有田珠玉の器紀行』での取材現場でした。有田焼を心底「かわいい」と思ったのは、たなかさんの器が初めてです。陶器にはほっこり温かい雰囲気の器がたくさんありますが、磁器にはほっこりした雰囲気はあまりありません。しかし、たなかさんの器は違いました。
たなかさんは染付と赤絵を組み合わせた染錦の手法を主に用いていますが、従来の豪華絢爛さやクラシックな雰囲気ではなく、かわいらしい雰囲気に仕上げている点が魅力。「私が動物を描くと、全部太った絵になっちゃうから」とたなかさんは謙遜して言いますが、緊張しすぎないところが良いのかもしれません。かわいさあまりに取材時に「銀彩鳥小花小蓋碗」と「銀彩雨降り人物文︎小蓋碗」を衝動買いしてしまいました。染付の上に銀彩を載せた文様が、何かこう、乙女心をくすぐるのです。今どきの言葉で言うなら、大人女子がときめく器でしょうか。予想通り、ふるさと納税の返礼品でも高い人気を誇りました。
(文・写真:杉江あこ・下川一哉/意と匠研究所)
公開日:2018年3月31日
更新日:2021年1月19日
杉江あこ(すぎえ・あこ)
エディター・ライター
1973年、愛知県生まれ。1995年、大阪芸術大学卒業。同年、関西を拠点にフリーランス・ライターとして独立。2001年12月に上京。デザイン、アート、文芸、食、自然環境などを専門に雑誌、書籍、ウェブマガジンの編集と執筆に携わる。2008年〜2009年、日経デザイン編集に携わる。2014年4月、意と匠研究所を下川一哉と共に設立。
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